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最高裁判所第二小法廷 昭和32年(あ)597号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人堀川多門の上告趣意第一および第二は違憲をいうけれども、その実質は、いずれも、法令違反の主張に帰するのであって、上告適法の理由とならない。そして、外国為替及び外国貿易管理法四五条にいう支払手段は適法に取得されたもののみに限られず、また、同条にいう輸出は、空路による場合は、外国向けの航空機に同条所定の物件を積載することによって既遂となるものと解するを相当とすべく、これと同趣旨に出でた原判断に所論のような違法はない。同第三は事実誤認、法令違反、量刑不当の主張を出でないものであって、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 藤田八郎 裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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